フリーランスエージェントのメリット・デメリット

フリーランスエージェントのメリット、デメリットについて、実体験や経験をまじえて解説していきます。

※エージェントによって異なります。

1.フリーランスエージェントのメリット

フリーランスエージェントを利用するメリットは下記の通りです。

①:自分で営業をしなくてよい

フリーランスエージェントを利用する一番のメリットは、自分で営業しなくても希望条件を伝えるだけで案件を探してもらえるという点です。

例えば、下記のような条件の案件を探していたとしましょう。

  • 医療系のPython案件
  • 稼働日数は週3以上
  • 現場は自宅から45分以内
  • 残業は少なめ
  • 単価は80万円以上

この条件に一致する案件を自力で探そうとすると、おそらくかなりの時間と労力が必要になるでしょう。

フリーランスエージェントに登録することで、自分のかわりにエージェントが条件に一致する案件を探してくれるので、案件探しがかなり楽になります。

しかも、フリーランスエージェントは常に豊富な案件を抱えているので、自分で探すよりもスピーディーにマッチする案件を見つけてくれます。

②:個人では受けることができない案件を獲得できる

個人で案件を探す場合、必然的に契約も個人とクライアント企業の間で直接結ぶことになります。

ところが、クライアント企業の中にはコンプライアンスの関係で個人と契約が結べない企業が多く存在します。

特に大手企業などがそれに該当するケースが多いです。

個人で仕事を探した場合、こうした理由でせっかく案件を見つけても受けることができない場合があるのです。

一方で、フリーランスエージェントを利用すると、契約が「個人とフリーランスエージェント」「フリーランスエージェントとクライアント企業」となり、間にフリーランスエージェントが入ることで、コンプライアンスの問題が回避できます。

上記のような理由により、フリーランスエージェントを利用することで、個人では受けられない案件も獲得できるようになり、案件の選択肢を格段に広げることができるのです。

③:高単価な案件が獲得できる

高単価な案件とは、どんな案件でしょうか?

高単価な案件とは、「クライアント企業が予算を多く持っており、より技術力の高いエンジニアを確保するために、他の企業よりも高い単価を設定している案件」という風に考えることができます。

では、予算を多く持っている企業とはどんな企業でしょうか?

やはり、利益が出ている大手企業が多いのではないでしょうか。

上記のような背景をみると、フリーランスが単価を上げようとした場合、予算をたくさん持っている大手企業と契約する必要が出てきます。

しかし、「②:個人では受けることができない案件を獲得できる」でも記載したように、個人が大手企業と契約を結ぼうとするとコンプライアンスの問題が発生します。

フリーランスエージェントを利用することで、コンプライアンスの問題を回避して大手クライアント企業との契約が可能になるため、単価の高い案件を獲得することができるようになるのです。

④:収入が安定する

フリーランスの一番の心配は、やはり収入面の安定ではないでしょうか。

自分で営業して案件を受注していると、仕事の多い月があったり少ない月があったりなかなか収入を安定させるのが難しいです。

収入が安定しないと仕事にも集中できないですし、案件が受注できないとそもそもフリーランスとして続けていくのも困難になってきます。

フリーランスエージェントは継続案件を豊富に持っているため、継続案件を獲得することで毎月の収入を安定させることができます。

⑤:市場の最新状況を知ることができる

フリーランスとして1人で活動していると、外部の情報が入りにくくなってきます。

WEBやSNSで情報収集することはできますが、業界の第一線で働いている人から生の情報を聞くことはどんな情報よりも価値があります。

フリーランスエージェントを利用することで、日々案件の動向を把握している営業の方から、その時の市場の生の情報を教えてもらうことができます。

例えば、

  • どういった業種の案件が多いのか?
  • 需要のある言語は?
  • 単価の高い案件の特徴は?
  • どんな人が求められるのか?
  • どんな案件が減ってきているのか?

などなど、日々最新の案件に触れている営業の方から生の情報を聞くことで、自分自身の今後のスキルアップやキャリアプランに活かすことができます。

⑥:確定申告や経理、事務関連のサポートが受けられる

フリーランスエージェントによっては、経理、事務、確定申告のサポートなどをしてくれるエージェントもあります。

例えば、下記のような内容です。

  • 請求書の作成と発行
  • 契約書の作成と契約手続き
  • クライアント企業から売上の回収
  • 確定申告書の作成サポート

特にこれからフリーランスになろうと考えている方々の中には、確定申告に不安を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方は、サポートのあるフリーランスエージェントを選ぶのも1つの手かと思います。

⑦:福利厚生が受けられる

福利厚生と聞くと、会社員のためのものでフリーランスには無縁のように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、フリーランスエージェントの中には福利厚生のサービスを提供しているエージェントも多くあります。

例えば、下記のような内容です。

  • 定期健康診断サポート
  • ヘルスケアサポート
  • 介護サポート
  • お祝い金(引っ越し・結婚・出産・入学・資格取得・住宅購入等)
  • 各種補助金(レジャー、フィットネス、インフルエンザ予防接等)
  • 各種割引(旅行、グルメ、不動産仲介手数料、ギフトモール、家事代行サービス等)
  • スキルアップサポート(勉強会イベント、英会話レッスン、資格取得等)

フリーランスエージェントへの本登録が完了した時点で福利厚生サービスが利用できるエージェントも多いので、これから案件を探される方は福利厚生もチェックしてみてください。

⑧:キャリア相談ができる

フリーランスエージェントは、案件の紹介だけでなくキャリアプランの相談にのってくれる所も多く存在します。

例えば、

  • 自分の今のスキルは市場でどの程度なのか
  • 今のスキルでどれくらいの単価の案件が紹介してもらえるのか
  • 将来、このようなポジションにつきたい場合にどういった経験を積んでいけばよいのか

など、現在のことや将来のキャリアについて気になっていることがあれば、なんでも相談してみましょう。

フリーランスエージェントは、業界のプロフェッショナルです。
クライアント企業やフリーランスに関する最新の動向をしっかりと把握しています。

フリーランスエージェントにキャリアプランを相談することで、専門家の客観的な意見をもらうことができるので、フリーランスとして活動している人はぜひ相談してみましょう。

2.フリーランスエージェントのデメリット

フリーランスエージェントを利用するデメリットは下記の通りです。

①:年齢が上がるにつれ案件が少なくなってくる

フリーランスエージェントを利用して案件を獲得しようとすると、一般的には年齢が上がるにつれて紹介してもらえる案件が少なくなってきます。

20~30代のうちは心配する必要はありませんが、40代になると年齢制限に引っかかる案件が出始めるため、フリーランスエージェントを利用して案件を獲得し続ける場合は、年齢によるデメリットが発生します。

将来的にエンジニアが不足してきた場合、また状況はかわってくるかもしれませんが、いずれにしてもフリーランスエージェントを利用する場合は、将来どのような方向へ進んでいきたいのか早めにキャリアプランを決めておくのが賢明です。

②:取引先リストが増えない

自分で営業して直接クライアント企業と契約した場合、1つの案件が終了してもまた同じクライアントから別の案件を発注してもらえることがあります。

つまり、クライアント企業とのつながりができます。

このつながりが蓄積されたものを取引先リストと呼び、取引先リストを増やすことで新たな案件を獲得したい場合に、営業と受注がしやすくなります。

取引先リストは、事業者にとって資産のようなものです。

ところが、フリーランスエージェント経由で仕事をすると、契約や支払いはフリーランスエージェントを通すのが一般的なため、クライアント企業との直接のつながりができません。

案件の終了と同時に、クライアント企業との付き合いもなくなってしまいます。

若いうちは、1つの案件が終了してもまた別の案件を紹介してもらえばよいので問題ないのですが、「①:年齢が上がるにつれ案件が少なくなってくる」でも記載した通り、年齢が上がるにつれ紹介してもらえる案件が少なくなってきます。

将来のことを考えた場合、フリーランスエージェント経由で仕事をし続けるのは、上記のようなデメリットが発生します。

③:働き方が会社員と変わらない場合がある

一般的にフリーランスというと、下記のように色々と自由なことが多いように思われがちです。

  • 勤務時間が自由
  • 休憩時間が自由
  • 休みが自由
  • 服装や髪型が自由

ところが、フリーランスエージェント経由で仕事をする場合、クライアント先に常駐する案件が多いため、実際の仕事のスタイルは会社員と変わらないような場合があります。

特にIT系の案件に多いです。

例えば、下記のような感じです。

  • 週5日勤務
  • 9時出勤、18時退勤
  • お昼休憩は1時間
  • 服装はスーツ
  • 髪型等の身だしなみはビジネスにふさわしいもの

上記のような働き方が嫌なIT系のエンジニアがフリーランスエージェントを利用する際は、事前にエージェントへしっかりと確認することをおすすめします。

ちなみに、WEB系のエンジニアやクリエイター系の職業の方は、リモート案件や週2~4案件などが豊富にあるため、そういった案件を専門に扱うフリーランスエージェントを検討してみても良いかと思います。

3.フリーランスエージェントを利用する際の注意点

フリーランスエージェントを利用する際の注意点は下記の通りです。

①:案件が短期or長期かを確認しておく

フリーランスエージェントが取り扱う案件の中には、長期案件もあれば短期のものもあります。

例えば、3か月だけ仕事をしたい場合に長期の継続案件を契約してしまうと、クライアント企業とエージェントの両方に迷惑がかかってしまいます。
逆に長期案件を探しているのに3か月で契約が満了となるような案件についてしまうと、また案件を探さなければならなくなってしまいます。

このようなミスマッチを防ぐために、フリーランスエージェントに案件を紹介してもらう際には、必ず自分がどちらを希望しているのかを事前に伝えておきましょう。

②:クライアントと直接交渉はできない

フリーランスエージェントを利用する場合、一般的にはクライアント企業ではなくフリーランスエージェントと契約することになります。

そのため、契約の内容に関わるような交渉はクライアント企業と直接行うのではなく、フリーランスエージェントを通して行うことになります。

これは見方によっては交渉を代わりにしてもらえるという点でメリットともとれるのですが、自分で直接交渉したい人にとってはデメリットになってしまいます。